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にわかにかわづかい。

にかわ(膠)というものをご存知でしょうか。

いまとりかかっている仕事は、いわゆるボンド(化学系接着剤)というものが
一切使えないので、にかわを使っています。
といっても私も使うのは初めてで、同じ町内で大先輩の椅子屋さん「石塚工作舎」の
石塚さんにいろいろとアドバイスを受けながら使っています(石塚さんについてはまた後日)。

接着剤は、その中に含まれる主成分によって、
たんぱく質接着剤(動物系・植物系)、
炭水化物系接着材(小麦粉、米、でんぷん、こんにゃくなど)、
樹脂系接着剤(天然樹脂系、合成樹脂系)、
ゴム系接着剤(ラテックス、合成ゴム系)に分類されます。
(主に木材加工に関連するもの・『木工材料』雇用促進事業団・
職業能力開発大学校・研修研究センター編より・以下同)。

いわゆる「白ボンド」と呼ばれる一般的な接着剤は、この合成樹脂系接着剤にあたる
「酢酸ビニール樹脂エマルジョン接着剤」で、
樹脂分40~50%と水分50~55%の混合液に、
少量の可塑剤、その他が混ぜ合わさったものなのです。

それに対し、にかわは獣の骨や皮、角の髄などを原料としたもので、
これらを煮立ててできた液体を濃縮し、漂白・乾燥して作られるもので、
接着力は強いのですが、耐水性が劣るのが短所といわれています。

ボンドで育った人間にはいささか手間のかかるものではありますが、
湯煎してトロトロになった頃合を確かめながら使うあたり、
なんとも人間的、というか動物的カンが要求される接着剤であります。

接合部の組み手にももちろん気を遣うのですが、
乾きが早いにかわでの組み立ては、ボンドの時よりも何倍も気を遣います。
息使いも荒くなります。
なんだか「獣」を意識してしまいます。

考えてみれば、血も固まってかさぶたになるし、お米を水で溶いて障子を貼ったり、
自然のものでベトベトしていて固まるものっていっぱいあるんですよね。

化学物質で生活が囲まれてしまっている今、
ちょっと手間はかかるけれど
こういうものが脚光を浴びつつあるのは
なんだかとてもいいことだなあと思うのでした。

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木工というお仕事」カテゴリの記事

コメント

膠は木工では使ったことないけど、
日本画やってた時代に、絵の具を溶くのに
つかっていたのでなじみがあります。
横川の釜飯の「釜」で湯煎してとかすんですね。
なれちゃって気づかなかったけど
あれはしばらくお風呂に入ってない人の匂いがするんですね。

天然素材の接着剤といえば、
木目込み人形に布を貼り付けていくときには
米の粉を練ったものを使っていました。
(こののりを使うとなぜかネズミがよりつかないのだと、
先生は言っていました。)
先人たちは何かをくっつけたいときは
とりあえず「米!」だったんでしょうねー

しばらくお風呂に入ってない人の匂いを
嗅いだのだな、おぬし。
お米の粘着力というか接着力もすごいよね。
うちはチビがあちこちにごはんつぶをこぼすので
それを踏んでしまってネバネバしてます。

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