前川秀樹・像刻展「水源」
世の中に、いいな、と思うものはたくさんある。
熟練の工芸品、クラフトの作品、優れたプロダクト製品。
でも、目が喜び、心が騒ぎ、脳が震えて、全身の毛穴が開く。
そんなものにはなかなかお目にかかれない。
以前から気になっていた前川さんの作品を目の前にして
久しぶりにそんな感覚を味わいました。
うまく書くことができないけど、
この一体一体の「像刻」を作り上げるまでの、エネルギーの蓄積、というかなんというか、
そのへんのお話をすこしだけでも聞けたのが、すごくうれしかった。
同じ木という素材を扱いながら、像刻(彫刻)というのは
自分のやっていることとは全く違う世界のもののような気がして、
もちろん、それを作り出す才能と、それを支える並々ならぬ努力と、人並みはずれた感覚と、そのすべてが自分にないことが全くもってうらやましく、憧れるしかない。
でもそれは決して悲しむべきことなんかではなく、
むしろそんな素晴らしい才能が、同世代に存在している、ということを
僕は大いに喜びたいのだ。
そして、前川さんの使っていたマッチが大竹伸朗さんの作品だったことが、
実はすごくうれしかったりしたのでした。
明日まで。みなさんもぜひ。
前川秀樹・像刻展「水源」
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