額というもの。
えーと。
私は紙モノが大好きです。古い博物画や本の切り抜き、昔の缶詰のラベルや戦時中にお父さんが家族に宛てた手紙や誰のものだかわからない写真・・・などなど。自分ではもはや把握できていないほど持っている。どれもこれも額に入れて飾りたいんだけれど、なかなか実現しない。自分で作った額はどれも売り物にしてしまうし。まあ狭い家なので壁に飾るにも限度があるけれど。
「額に入れて飾る」という行為が、まずなんといっても楽しい。なんだろう。1枚の紙が格上げされてちょっとえらくなった感じ・・・。外国の映画などでリビングの暖炉の上の壁なんかに家族の額がこれでもかと飾ってある。あれはあれでうらやましくやってみたい気もするが、やはり私は日本人なのでできればすこし間をとって飾りたい。
額というものの不思議な作用については以前からいろいろ考えているのだが、四角く囲むことで生まれてくる何かが存在する。そんなことを前にも書いたような気がする。たしか赤瀬川原平さんのナントカ(四角形の歴史?)という本が、かなりその疑問に応えてくれた気がする。
私の場合、中身の紙の方からの要求で額を考える場合と、額にする素材の方の要求から考える場合の両方があるので時々混乱する。いずれにしてもバランス・・・といってもその判断は自分で下すしかないので、トータルでどう見えてそれが自分の好みかどうか、ということに尽きる。
ある長さの一本の古材があるとすると、もうすでにその長さから額の大きさが制限されてくる。さらには傷みや虫食いなどを除けつつ、一番のポイントを見つけてなんとか四角にする。ただし溝が入っていたり斜めに歪んでいたりなかなか素直でないところが古材の古材たるところ。いろいろやっているうちに思いもしないものになったりもする。
マットっちゅーもんも、また曲者なんだなこれが。
額は奥が深い・・・。
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