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いよいよ今週末から北海道へ旅立つわけですが・・・なんだかいろいろ思い出します。
学生時代に二度、社会人になってから一度、北海道に行っています。
●1988年夏
前年アルバイトで貯めたお金でバイクを買い、この年の前半もやはりバイトで旅行資金を稼ぎ、ほぼ一ヶ月かけてぐるり一周しました(ちなみにこのときのアルバイトは東京築地市場の製氷の仕事。夏にしもやけができたぐらい過酷だったけど、短期間でけっこう稼げました)。当時の愛車はカワサキKR250。今となってはマニアックな2スト車で全くツーリング向きではありませんでしたが、乗るのが楽しいバイクでした。筑波大学の宿舎からずーっとひたすら陸走、北海道上陸まで4日かかりました。若さと、とにかく時間があったんだなぁ・・・(遠い目)。当時あちらこちらにできていたライダーハウスという格安の宿に泊まったり野宿しながらほとんどの名所を巡りました。
●同年冬
大学の専攻科目で「社会調査実習」というのがあり、この時の大きなテーマが「北海道」の抱えるいろいろな問題や可能性、みたいなことでした。とりあえず、札幌市民の方々に無作為でアンケート調査をして、それを分析しながら各自で論文を作成するというものでした。夜行列車と青函連絡船を乗り継ぎ、根雪の積もった11月の札幌へ。宿泊は北大のクラーク会館だったかな?豊平区が私の担当。事前に各家庭に送付していたアンケートを地図を頼りに回収するのですが「そんなもの知らん!」とか「よかったですー(結構ですという意味?)」とか、なかなか回収できず・・・。でも親切に家に上げていただいて、札幌の冬の暮らしの苦労についてとかいろいろ興味深いお話もたくさん聞けました。中でも印象深かったのは「一番寒い時期には朝起きると顔の周りの布団が息でうっすら凍っている」という話・・・ひえー!で、私が書いた論文のタイトルが『札幌市民の国際化とどさんこ意識』。担当のK教授には一応ほめられたんですよ(笑)。
●1995年
パルコ時代。「アーバナート」というアートのコンペと展示の企画を担当(この時は同時に藤井フミヤさんのCGアート展「Fumiyart2」も担当していて、ほとんど休みのない状態だった・・・)。大抵は渋谷で立ち上げた企画展を全国のパルコに巡回するので、それぞれの搬入・搬出や審査員のトークショウなどのイベントにもできるだけ立ち会うのでした。札幌でもたしかトークイベントがあり、立花ハジメさんや日比野克彦さん(タナカノリユキさんもいたかな?)といったアーティストの方々のアテンドをしたような気がする・・・でもなんだかあんまり覚えてないなぁ。夜は当時札幌パルコにいた元上司のNさん(現在は北海道D通にご勤務)に蟹と魚のおいしいお店に連れて行ってもらって、しこたま飲んで、締めは味噌ラーメン、だったような・・・(酔っぱらって覚えてない)。仕事の緊張もあってか、この時は細かい記憶があんまりないのです。
そして
●2009年夏
自分が木工をやっていて、札幌に売りに行くことになるとは!(笑)
20年前には想像もしていなかったし、つい最近までだって考えたこともなかった。
人生はわからないことばかり・・・。
10年後にどうなっているかも、だれにもわからないわけですな。
●初日、指定された搬入時間の少し前に公園に着いたが、もうすでにあちこちにテントが張られ、クルマを停める場所もない・・・。毎年のことなのかもしれないが、なんだかやる気を削がれる感じだ。まずは場所取り合戦なのね・・・なんだかガツガツしてイヤだなぁ。まぁ出遅れたわけではないが、結局「出遅れた」ことになったのが悔しいのだけど。
●屋外で、しかもいろいろなモノが一同に集まっている中で、自分のひとつひとつのものはとても弱いという気がした。モノは、工房にある時と、ギャラリーやお店などにある時と、日常の家の中にある時と、公園などの屋外の空間にある時とで、モノそのものは変わらないのだが、背景となる空間が変わることで、何かが変わる。テント内部を、白ペンキを塗った板張りなどで格好よくギャラリー風?に仕立てているブースもあった。「見せる」ための演出というものも、モノにとっては重要ということか。しかし、モノそのものに力がなければそんなことも無意味だ。屋外で、雨で、はねた泥がくっついててもなお欲しい。そんなモノが作りたいと思う。
●初日の夜、予約を入れておいた郷土料理のお店へ。応援に来てくれた母、姉夫婦と姪と一緒に総勢7人で馬三昧。馬のあちこちの部位を食う。レバー、赤身、霜降り、たてがみ、大動脈・・・。牛や豚にしてもそうだけど、鳥、魚、鯨、とにかく人間はいろいろなもののいろいろな部位を余すところなくよく食うなあ・・・などと思いながら食べたのでした。
●会場の公園からは、ぐるりどこを向いても山が見えた。僕の住んでいるところではそんなことはありえないので、なんでもないような顔をしつつ、その風景にあらためて興奮していた。「山が見える」ところに住んでない日本人の方が少ないのだろうなぁ・・・。「山が見える」ことで、いろいろなことが違うのかもしれないなぁと、ちょっと思った。
●泊まっていたホテルの周辺は、古い建物がたくさん残っていていい感じ。カメラ片手にふらふらと一日中散歩していたい衝動にかられる。こういう衝動は、モノを作りたいという衝動とは別の、元々僕の中にある宿命というか血というか、そんな感じがするのです。
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