薪ストーブ。
待望の薪ストーブが来た。
来たというか、作者(巨匠)が運んできてくれて、煙突を含めた施工まで全部やってくれた。なんというぜいたく。
僕らはけっこう早い時期から、薪ストーブの家への導入を思い描いていたのだけど、いざ探しはじめるといろいろ出ている割に「これ」といったものがない。過剰に装飾的だったり「シンプル」でもシャープすぎるシンプルだったり。そもそも薪ストーブというものが、ちょっとお金持ちの趣味的な匂いのするものだったりするので、どうしてもデザイン的に「それっぽく」なってしまうのだろう。安西水丸さんはストーブのデザインについて「いろいろカタログなどを見ているのだが、写真を見るとどれも厳めしく、妙に存在感を主張していて好きになれない。『スター・ウォーズ』に出てくるダース・ベイダーの仮面みたいでは困る。もっとすっきりしたデザインのストーブを気長に探すつもりでいる」(雑誌『チルチンびと』に連載中のエッセイ「a day in the life」より引用)と書いている。
巨匠に頼んだのは、僕らの好みというのをいろいろ説明しなくてもたぶんわかってくれるという点や、もちろん作品・作風も好きだし信頼できる職人的腕前もあるけれど、なんといってもやはり全面的にその人柄にほれ込んでいるからだ(ちなみに巨匠は通常はストーブの注文製作は受けていないそう・・・ああ、ぜいたく~)
僕の場合は仕事上たくさんの木っ端が出るので、気持ちの半分以上は「もったいない」というところから薪ストーブを使うことに決めた。工房では昔からあるダルマストーブをもう何年も使っているが、家の生活の中で薪ストーブを使うというのは、これまで生きてきて初めての体験だ。こどもたちがドタバタしているすぐ脇で、赤々と火が燃えている風景というのは、なんというか、とても不思議なかんじがする。昔はそれこそ囲炉裏を囲んで、という暮らしがあったのだろうけど、生活空間のド真ん中にナマの火が燃えているなどというのは、考えてみればすごいエキサイティングだ。
いろいろと手間もかかるけど、だんだん炊きつけがうまくなってきたり、空気調節の加減のコツを覚えてきたり、あー鍋料理もいいなぁ・・・とまぁ、こんな風に少しずつ楽しみながら付き合っていけたらいいと思っている。
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