« 2011年6月 | トップページ | 2011年8月 »
中学生の時、姉に借りてよく読んでいた星新一さんのショートショート。
久しぶりに『ボッコちゃん』を読んでみた。
なんでも飲み込んでしまう穴の話「おーい でてこーい」が面白い。
この作品は少なくとも40年以上前に書かれている。
(前略)
利権屋は、仲間を都会で猛運動させた。すばらしく深い穴がありますよ。学者たちも、少なくとも五千メートルはあると言っています。原子炉のカスなんか捨てるのに、絶好でしょう。
官庁は、許可を与えた。原子力発電会社は、争って契約した。村人たちはちょっと心配したが、数千年は絶対に地上に害は出ないと説明され、また、利益の配分をもらうことで、なっとくした。しかも、まもなく都会から村まで、立派な道路が作られたのだ。
トラックは道路を走り、鉛の箱を運んできた。穴の上でふたは開けられ、原子炉のカスは穴の中に落ちていった。
外務省や防衛庁から、不要になった機密書類箱を捨てにきた。監督についてきた役人たちは、ゴルフのことを話しあっていた。作業員たちは、指示に従って書類を投げこみながら、パチンコの話をしていた。
穴は、いっぱいになるけはいを示さなかった。よっぽど深いのか、それとも、底の方でひろがっているのかもしれないと思われた。穴埋め会社は、少しずつ事業を拡張した。
大学で伝染病の実験に使われた動物の死体も運ばれてきたし、引き取り手のない浮浪者の死体もくわわった。海に捨てるよりいいと、都会の汚物を長いパイプで穴まで導く計画も立った。
穴は都会の住民たちに、安心感を与えた。つぎつぎと生産することばかりに熱心で、あとしまつに頭を使うのは、だれもがいやがっていたのだ。この問題も、穴によって、少しずつ解決していくだろうと思われた。(後略)
新潮文庫・星新一『ボッコちゃん』 「おーい でてこーい」より抜粋
お客様からメールがきました。
「工房イサド 様
ちょこっとスツール(赤)を1脚、注文させていただきたく連絡しました。
以前、ちょこっとスツール(緑)を買わせていただきました。
家族でとても気に入って使っております。
その後、もう一人子どもが産まれ、座って食べるようになりましたので、
もうひとつ欲しいと思います。よろしくお願いいたします。」
こういうのは、なんつーか、うれしいですねぇ・・・・。
在庫が全然なかったので、久しぶりに数脚作りました。
気がつけば、うちの森ピーもすわれるお年頃になったので
モデルとしてすわらせてみました・・・。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
最近のコメント