その5
京都最終日はギャラリーには行かず、朝から京都御苑の林の中を散歩していたのですが
そこでこの「桜松」に出会いました。
元から生えていた黒松の樹上に山桜が育っていたという珍しい物件で
しかも松が枯れて倒れた後も、桜は松の内部の空洞を通って地上まで根を下ろしていたために
枯れずに生き残り、松を突き破って枝を伸ばし今も花を咲かせているのだそうです。
松が倒れた平成8年当時推定で松の樹齢は約100年、桜は約40年だったそうです。
長い年月の間に淡々と営まれてきた静かで激しい生命の闘い。
当り前のようにいまあるその佇まいに、しばらく見入ってしまいました。
今回の展示タイトル「はじめに一本の木がありました。」は
一本の木からはじまるさまざまな物語をイメージしてつけたのですが
まさにそれを象徴するような「桜松」でした。
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