« 掲載。 | トップページ | 堤清二さん。 »

コノキナンノキ。

Photo

仕事柄、常に木というものと向き合っているので、木について考えることが多いです。というか、木のことばかり考えていないとこの仕事はやっていけない気がします。好きで集めてきたとはいえ、この10年で気づけば30種類以上もの材を所有するようになっていました。それぞれの特徴や特性を見ながらいろいろなものを作っていますが、最近特に意識するようになったのは「生き物としての木」についてです。

広葉樹・針葉樹、産地、硬軟などの分類によって、ある程度その樹木に関する情報は頭に入っていますが、実際にひとつひとつの木に触れていると同じ木でもずいぶんとちがう印象を持つ場合があります。僕の場合は特に古材やデッドストック材なども使うのですが、それらは長い時間を経てきている分、その木材が持つ何か特徴というか個性というか、そういうものがより強くにじみ出ている気がして、単なる「素材」としてではなく、かつて生きていたもの、「存在」として僕に静かに迫ってきます。

木の実というのは、樹木という生物がそれぞれ結実させた子孫を残すための結晶であり、ある意味その樹木の特徴を全て抱えているもののような気がします。冬越しのために木の実を蓄える森の動物のみならず、僕ら人間たちも木の実を見つけると拾わずにはいられません。これらの行動はまさに遺伝子に組み込まれているのかもしれません。僕自身木の実は大好きで、なんでこの木はこういう形の実をつけるのだろうとか、考えたり眺めたりしている時間がとても好きなのです。

今回の展示では、実をつける代表的な木を数種類使っていくつかの生活の中の物を作ってみました。初めて使う林檎の木は、青森のリンゴ農家さんの木を弘前の木工家の方が製材・乾燥したものを縁あって譲って頂きました。また以前から使ってみたかった栗は、9月の盛岡の展示で知り合った方からの紹介で手に入れることができました。リンゴは少し匂いがあり、また暴れん坊の気配を感じさせていましたが、削ってみるとしっとりと色っぽく、その実を思わせる赤みがとてもきれいです。栗は、木目も質感も自分好みで、サクサクと歯切れよく、作っていてとても気持ちがいいものです。いままで触れることのなかった材を使うことはとても新鮮で、まだまだこの仕事は楽しくて奥が深いなと実感したのでありました。

今回のDMは、デザインとスタイリングディレクションをmi'ndyさんにお願いしました。写真は僕が撮りましたが、全体のイメージプランなどは全てmi'ndyさんのコーディネートによるものです。自分たちだけではできない世界を表現してもらえて、とても気に入っています。mi'ndyさんには5年前の展示「イサド式。」でもDMを作っていただいたことがあります。mindy-designとしての多岐にわたる仕事っぷりや独特の作品、活動など、その才能と世界観に惹きつけられます・・・。


まだまだ製作途中で、作りたいものが間に合うかどうか心配ですが、とりあえず今の時点で書けることを書いておこうと思いました。

« 掲載。 | トップページ | 堤清二さん。 »

木工というお仕事」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ