個展「匙」、終了しました。おかげさまでたくさんの匙たちが旅立って行きました。
いらした方がひとつひとつ、時に宙をすくいながら、うーんと悩みつつ、じっくり選んでいる姿が印象的でした。
匙は小さな道具ですが、暮らしの中での欠かせない一本として、使い育ててもらえたらうれしいです。
カモシカでの展示は、思っていた以上にエキサイティングでした。作品を展示しているすぐ横で、料理を一生懸命作っている人たちがいます。料理する音、匂い、香り、笑い声がします。展示されている匙と同じものを使って料理を食べている人がいます。使い勝手を尋ねる不安顔の作り手(自分)がいます。
作品は、作品だけでは成り立たない。料理も、料理だけでは成り立たない。
素材と素材を作る人、料理を作る人、食べる人、盛る器、すくう匙、その他の道具、それらを作る人、のせるテーブル、座るイス、空間、時間・・・「おいしい」というのは味だけじゃないんですね。当たり前といえば当たり前なのですが、そういうことをあらためて気づかせてくれる場所だと思いました。
寒い中お越しいただいた方々、ありがとうございました。また、長い時間にわたり一緒に「匙」に取り組み導いてくれたオカズデザインのおふたりには本当に感謝です。販売スタッフのSさん、オカズスタッフのみなさん、「匙」をテーマにスペシャルな料理を作ってくれた広沢京子さんや「おいしい応援団」のみなさんも、ありがとうございました。
最近のコメント