「額と絵」 二人展
絵を描いて、生きている人がいる。
その事実にただ感服するだけの自分がいる。
絵を描く人はすごい。
その思いは、年をとるにつれますます深くなっていく。
それは彼らが絵筆という最小限の道具で世界を表現しているからだろうか。
いつの時代も画家は、その鋭い刃物の切っ先で私たちに鮮やかな断面を見せてくれる。
自分はポカンと口を開けてそれを眺めているだけだ。
今回の西さんとの二人展では、自分が作った額に合わせて西さんが絵を描いてくれることになった。
普通は、まず絵があって、それを額で装飾するのがいわゆる額装だ。
いや普通かどうかなんて自分には全然わからないけれど。
それとは逆の流れで、自分が勝手に作った額を、絵で飾ってもらうことで作品が生まれていく。
これは何というか、「絵装」とでもいうのか。あまりないパターンだとは思う。
西淑ファンには実に申し訳ないわがままなスタイルになってしまったけれど。
そんな贅沢をさせてもらいつつ、結局仕上がりは当日まで全く見えないという点では
一ファンとして何も変わりはないのだということを付け加えておきたい。
むしろ大切なのは、「絵を描く理由」のところにある気がする。
絵が出来上がった最後に額が来る、という予定調和ではなく、
まず額がある、ということから絵がスタートするということにこの展示の意味があるのだとしたら、
こんなにも静かでエキサイティングなことはないのではないかと・・・
(それは自分だけがうれしいのかもしれないけれど・・・)
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