今までに千を越える数の額を作ってきましたが、専門的に勉強したことはありません。面白そうな素材との出会いが私に額を作らせてきたといえます。例えば白色の上に水色のペンキを塗られた古い窓枠。この一枚からだけでもいろいろな表情の額が生まれます。
ふだん気がつかず気にも留めないようなものに、実は不思議な魅力が隠されています。単純に長い年月を経てきたということだけでも、十分にそのものには魅力が備わるのだともいえます。ただ、その面白さに気付き引き出すためには少しだけ手を加えてあげる必要があります。
額というのは素材を四角に組んだだけの簡単な加工品ですが、四角にすることでふわっとその美しい花を咲かせます。額に限らずテレビ画面や窓、建築構造など、「四角」という形は思っている以上に私たちの生活に強く作用しているのではないでしょうか。
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